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米ドル円相場の2020年見通し
更新日 2020年1月20日

2019年の米ドル円相場は、1月3日にフラッシュクラッシュが発生、米ドルは104.656円(以下為替レートはFXCMによる)の安値を付けた後、春まで上昇し4月24日に112.400円の19年高値を記録した。5月から8月は、日経平均株価が下がった事で米ドルは下落、8月26日に104.446円の19年安値となった。

日経平均株価が下がって円高になるというのは、株価指数に影響する日本の大手企業が輸出分野に依存しており、日本の株価が下がると、景気後退に備え企業は海外資産の回収を強めて円貨とし、事業資金を確保するためである。

19年9月から12月の間は、米国株高の流れに乗り日本の平均株価も上昇、米ドル円相場においても、同期間はドル高となった。

結局、19年の米ドル円値幅は7.954円で、日本が1973年に外国為替変動相場制を導入して以来の最狭記録という穏やかな相場であった。

米ドル円の値幅が狭くおとなしいのは近年の傾向で、今後もこうした状況は続くと見られている。では、2020年の米ドル円相場はどうなるのか。

毎年1月は、投資家が米ドル資産を売却してポートフォリオの再構築を行うため、米ドル安になりやすいとされる。ただ、20年は、年明けからドル安になる契機があった。

日本時間の1月3日、バグダッド国際空港でイラン革命防衛隊司令官車列を米軍が空爆、この事件は、年始で参加者が少なかった為替相場にほとんど影響しなかったが、3日の報復としてイランは、日本時間1月8日朝、在イラクの米軍基地をミサイル攻撃、これに米ドル円が反応し、米ドルは同日9時半に107.650円の安値を付けた。

1月8日のイラン攻撃で、米軍側に深刻な被害はなかった事が判明するにつれ米ドルは急速に上昇、1月14日には110円を超える。米ドル円は、1月8日の107.650円を2020年の安値圏とする勢いで、ドル高を指向している。

連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、FRB)が2019年に3度利下げを行った事により、アメリカは低金利を背景に住宅市場が活況を呈している。失業率は歴史的低水準で、国内消費は堅調、グローバル企業の好業績が株高をけん引し、2020年のアメリカは、緩やかながら持続的経済成長を維持できる見込みだ。

日本では、安倍晋三首相の自民党総裁任期が21年9月まで、黒田東彦日本銀行総裁任期は23年4月までとなっており、我が国の2020年経済政策が、従来から大きく変わる事はない。

アベノミクスにより2013年4月から始まった異次元緩和(円安・株高誘導の黒田バズーカ)は、景気の目安となる消費者物価上昇率が前年比2%になるまで継続される。しかし、人口が減少している今の日本で、この数値を達成するのは困難だ。よって、20年に異次元緩和路線を変更する事はない。

日本の実質GDP年間成長率は、アメリカやユーロ圏よりも低い。米ドル円相場は、2020年も米ドル高が進む。上値は115円近辺になるのではないか。これは、1月8日の安値に昨年の変動値幅を足した水準だ。

ただし、9月以降は、東京オリンピック終了による特需反動で、日本の株価が下がる可能性がある。その場合でも、米ドルは107円を下回る事はないだろう。

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