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COVID-19相場 近付く武漢の春
更新日 2020年2月16日

中国湖北省の省都武漢市で、2019年12月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患者が発生しはじめた。20年1月20日には、中国保健当局が、同ウイルスの人から人への感染確認と発表する。

武漢市以外へも感染は拡大し、1月20日時点のCOVID-19患者数は200人を超えた。この日の米ドル円価格は、1米ドル110.068〜110.218円(以下為替レートはFXCMによる)、以後、米ドルは下落していく。

長江中流域の中国内陸部に位置する武漢市は、2018年時点で人口約1,100万人。8,569km2もの都市面積は広島県の大きさに匹敵するが、その4分の1は河川・湖沼の水域で占められる。武漢駅近くには、都市内に存在する湖として中国最大(73km2)となる東湖がある。

20年2月2日の朝日新聞記事によると、「中国で一番早く製鉄所と兵器工場が造られた武漢は鉄鋼の街として発展。現在は、同市にホンダや日産、プジョー、ルノーなど世界の大手自動車メーカーが進出し自動車産業の集積地となっている。武漢には大学が80以上あり、市内の学生数は世界最多の130万人以上、外国企業に豊富な人材を供給している」

中国政府の主導により、外国企業の先端技術移入で経済成長を図るための国家級開発区が、武漢には3つ設けられている。その中で一番早く設立(1988年)されたのが東湖の南側に位置する東湖新技術開発区。光ファイバーやレーザー機器、LEDメーカーが拠点とする同開発区は、中国最大規模の光電子産業基地であり、光バレーと呼ばれる。

春節連休前日の1月23日、中国政府は、武漢市と周辺地域の公共交通運行停止を指示。中国では、国内・国際航空便の欠航が相次ぎ、燃料需要の減少は決定的となる。1月20日から2月4日にかけてWTI原油先物価格は、終値ベースで9ドル以上値下がり、2月4日の終値は1バレル49.42米ドルとなった。

20年の春節連休は1月24日から30日までだが、中国政府は1月27日、連休を2月2日まで延長すると発表した。

ジュネーブにある世界保健機関(WHO)は1月30日夜(日本時間1月31日朝)、新型コロナウイルスに対する「緊急事態」を宣言したが、移動や貿易の制限は必要なしと判断する。

COVID-19罹患者数は、発生から1ヶ月あまりで、2002年11月から03年7月に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)数を超えた。

2月3日月曜の中国市場再開で株価暴落が確実視されていたため、欧米市場は、週末かつ月末の1月31日に反応する。英国時間1月31日13時から、金融商品基準価を決めるロンドンフィキシングの16時(日本時間2月1日1時)までに、米ドル円相場は、3時間で500ポイント以上米ドルが下落、108.311円の安値を付けた。

1月31日9時半(日本時間1月31日23時半)から始まったニューヨーク証券取引所は、引けにかけて各銘柄売り一色となる。この日のダウ平均株価は、19年8月26日以降最大の603.41米ドルの下げ幅を記録、28,256.03米ドルで終えた。

米国政府は1月31日(日本時間2月1日)、新型ウイルスに対する「緊急事態」を宣言し、過去14日間で中国滞在歴がある外国人の入国拒否や過去14日間で湖北省渡航歴がある米国人の隔離を命令、WHOより厳しく対処した。米国政府の隔離命令は、約50年ぶりとなる。

2月3日、春節連休明けとなった中国株式市場は、上海総合指数が7.72%安で終わり、4年5ヶ月ぶりの下落率を記録した。

米国株は1月31日、日本株・中国株は2月3日を底に上昇している。米ドル円相場は、2月3日から米ドルが上昇、7日朝には110円を上回る場面もあった。

英国金融機関のHSBCは2月13日、COVID-19の影響のため、中国の20年第1四半期経済成長見通しを、従来の前年比5.8%から4.1%へ引き下げ、20年の年間見通しも、5.8%から5.3%へ変更した。世界の経済成長については、従来予想の2.5%から2.3%に修正している。

武漢市東湖のほとりには、東湖桜花園という2001年に開園した公園がある。3万平方メートルの園内どこからも目立つ五重塔や欄干が赤色の太鼓橋を配置した日本風情の公園には、ソメイヨシノや枝垂桜など1万本以上の桜が植栽されている。

東湖桜花園は、青森県青森市に本店があるみちのく銀行と武漢市が共同で整備したもので、桜の木は同銀行が寄贈した。桜の管理には弘前市も協力している。今では、日本の弘前公園、米国のワシントンD.C.ポトマック河畔と並んで世界三大桜名所となり、東湖桜花園は、中国に花見ブームをもたらした。

2月15日判明分で、世界のCOVID-19累計罹患者は、中国を中心に6万7,097人、死者1,526人(中国以外では、フィリピン、日本で各1人)。呼吸器系伝染病は暖かくなると蔓延しにくくなる。中国内の感染スピードは鈍化傾向にある。

3月下旬には東湖桜花園の桜が満開になる。この頃までに、罹患中の患者数が減少している事を願いたい。武漢の春は近い!

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