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FX投資の心得

本サイト運営者が、20年以上にわたり様々な金融商品で投資を経験してきた観点から、FX投資に必要な6つの心得を紹介します。

1.投資は余裕資金で

生活費を投資に使うのは間違っています。用途があるお金を投資に使うと、取引スタンスに影響が出てくるでしょう。

余裕資金ではなく、金銭的に逼迫している状態で投資をするとどうなるでしょうか。様子見すべきところでポジションを取ったり、決済すべきところでも決済しなかったり、さらには、証拠金維持率が100%近くになるまでポジション設定したりなど、資金を多く、そして、早く収集したいという気持ちばかりが募り、八方破れな取引スタンスになる可能性が大きいです。

取引の前提は、どんな状況でも相場にあおられず、リターンとリスクを冷静かつ客観的に見通す事です。感情だけで取引してはいけません。こうした前提を守るため、使用目的のない余裕資金で投資を行いましょう。

2.ニュース・経済指標・チャートの情報確認

FX投資を行う際に、把握しなければいけないリアルタイム情報があります。それが、ニュース・経済指標・チャートです。どの情報を利用すればいいのか、こちらのページに便利帳としてまとめました。

チャートについて、例えば、米ドル・円ペアの取引をする場合、同ペアのチャートだけ見ていればいいという訳ではありません。関連する複数の通貨チャートに加え、ドルインデックス、そして、国債・原油・株のチャート確認も必要です。

ちなみに、チャートはTradingViewが見やすいので、同サイトのチャート検索で使うティッカーも以下に記します。

世界で最も取引されている通貨ペアがユーロ・米ドルです。米ドル・円ペアの米ドルは、ユーロ・米ドル値動きの影響を受けます。

ユーロ・米ドルでユーロが値下がりしている場合、米ドルが高くなっているという事なので、米ドル・円では、米ドルが値上がりし円安に動く相場も多いのです。

また、円高・円安傾向にあるのか、ユーロの地合い(相場状況)はどうなのかを、ユーロ・円チャートと見比べ把握しましょう。

そして、ユーロとポンドは、同じヨーロッパで相関性があるため、ポンド・米ドルも見ておくべきです。

これら以外に、日足チャートで見た場合の「割高、もしくは割安な他の通貨ペア」も探っておいた方がいいでしょう。

通貨チャートに関しては、米ドル・円ペアの取引をする場合、同ペアに加えて、ユーロ・米ドル、ユーロ・円、ポンド・米ドル、そして、「割高、もしくは割安な他の通貨ペア」の、最低でも合計5つの通貨ペアを照合すべきという事になります。

ドルインデックスとは、主要通貨に対する米ドルの価値を表した指数で、米ドルの世界的価値とも言えます。複数の機関が独自の構成通貨により算出・公表していますが、その中でもインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange、ICE)によるドルインデックスは、リアルタイム表示のため最も投資家に活用されています(TradingViewティッカーはDXY)。

ICEによると、ドルインデックスは、ユーロ57.6%、円13.6%、ポンド11.9%、カナダドル9.1%、スウェーデンクローナ4.2%、スイスフラン3.6%の内訳となっています。特に、米ドルとこれら通貨のペアを取引する際は、ICEのドルインデックスを参照しなければいけません。

一般的に、金利が上昇すると、その国の通貨に対する投資需要が増えるため、通貨価値も上がります。アメリカでは、10年満期の国債利回り(TradingViewティッカーはUS10Y)が重視されますので、米ドルを含めた通貨ペア取引を行う場合、こちらもチェックすべきです。

カナダドル、オーストラリアドル、ノルウェークローネなどは、鉱物や原油の産出に富んだ国の通貨である事から、資源国通貨と呼ばれます。原油価格は、取引が活発なウェスト・テキサス・インターミディエイト(West Texas Intermediate、WTI)の先物価格(TradingViewティッカーはUSDWTI)が参考になります。資源国通貨はWTI原油先物価格の影響を受けやすいのです。

通常、通貨が高くなれば、世界各国からの投資資金が株式市場にも流れるため、株価指数は値上がりしますが、日本は違います。株価指数に影響する日本の大手企業は、輸出分野に重点を置き成長を図っています。輸出先の通貨が下がる(円高になる)と、現地での販売上不利益になるので、円高は株安をもたらします。日本以外は株高で通貨高、日本は株高で、大企業が海外進出を強めるため自国通貨安となるのです。

FX会社の取引プラットフォーム以外に、ニュース、経済指標、チャートと、チェックすべき情報はたくさんありますが、自分の思い込みによる取引ではなく、複数の客観的情報に基づいた取引を心掛けましょう。ただし、ニュースが出た直後、即座に便乗取引していいのか、細心の注意も不可欠です。

3.十分な証拠金維持率を

日本のFX関係者の方で、「高いレバレッジは危険」と、例示をせずに漫然と説明する方もいます。この背景には、日本独特の投資環境があります。

日本のFX会社には追証という制度があります。保有資産評価額が下がり余剰証拠金がマイナスとなった場合、証拠金維持率は100%未満になります。

追証とは、マイナスの余剰証拠金口座において、証拠金維持率が一定基準になるまでの差額分を、投資家に追加証拠金として補充させる制度です。この追加証拠金を略して追証と言います。

日本では、証拠金維持率が100%未満になると、投資家は、新たに資金を振り込むか、ポジションを解消しなければならないという規定を設けているFX会社が多いです。

FXでは、市場参加者が急激に減少した時、売買どちらかの注文が一方的に優勢となり、変動幅の大きい極端な値動きになる事もあります。瞬間的な値動きであるフラッシュクラッシュにより、証拠金維持率が0%を下回る、いわゆるマイナス残高も発生しうるのです。

日本のFX会社は、金額の多寡に関係なく、マイナス残高分も含め、追証全額を投資家に請求します。こうした投資環境では、「高いレバレッジは危険」と説明するのも無理はないと言えます。

反面、ほぼすべての海外FX会社には追証制度がなく、口座がマイナス残高になったとしても、ゼロ未満の顧客マイナス分を、FX会社が負担してくれるゼロカットシステムを装備しています。こうした対応は、日本以外の国々では常識なのです。

レバレッジ高低に関わらず、ポジション数を多くすれば損得の金額も大きくなります。少ない投資額でレバレッジ倍率を上げている場合、証拠金維持率100%近くまでポジション数を増やせば、投資額に対する損益の変動額も大きくなるため、強制ロスカット(海外FX会社なら、証拠金維持率20%程度での自動決済が主流)になるリスクが高まります。これを回避するため、トップページに記した損失可能性額を見積もり、限界証拠金維持率を確保した取引を行うのです。

海外のFX会社には追証がなく、ゼロカットもしてくれるからといって安心するのではなく、高いレバレッジによる保有資産評価額の変動リスクをクリアできる、十分な証拠金維持率で取引に臨みましょう。

4.早めの決済判断

利益が出ている時、ポジション保有継続に対する余程の根拠がない限り、決済を実行しましょう。また、損失が広がりそうだという判断も、早めに行って決済しましょう。

ポジション評価益計上時、決済するどころか、余剰証拠金や証拠金維持率が増えているからといって、同様のポジションをやみくもに追加するのは危険です。

ポジション保有後に入金せず、開始したポジションの評価益を源泉とする追加注文は、必然的に悪い条件での保有になります。開始ポジションが買いなら、追加分はより高い価格、開始ポジションが売りなら、追加分はより低い価格でのポジションとして抱えてしまいます。

そうなると、せっかく計上した評価益を減らすばかりか、決済のタイミングを逃して損失に転じる可能性を高め、証拠金維持率の低下により、結局、強制ロスカットをもたらすだけです。

「頭としっぽはくれてやれ」という投資格言があります。取引している今の目標を高く設定せず、次の段階に備え欲張らない事が肝心なのです。

5.次の相場を待つ

これも投資の格言ですが、「待つも相場」という言葉を逆にしたものです。値動きがほとんどなかったり、短時間で値動きが激しく上下したり、ニュースがないのに価格が上がり過ぎたり下がり過ぎたりする場合など、投資判断に迷う相場は多いです。

しかし、明白な根拠により、値動きの予想が可能な相場は必ず来ますので、それまで情報を収集し待機しましょう。

1つの相場が終わったと判断し、利益確定でポジションを決済した後、短時間売買のスキャルピング(瞬間的投資判断を要するため難易度は高い)でないのに、続けて次のポジションを設定するのもリスクが高いです。

こうして間髪入れず、後に設定したポジションは、相場の流れに反する逆張りとなるケースがほとんどですが、利益確定で稼げたほどの相場の流れは堅固なのです。特に、時間をかけて一定方向に動いている相場では、これを覆す材料がなければ、そう簡単に反転しません。

利益確定後、次のポジションを設定するまで、数時間の間合いは置くべきです。相場が反転し始めても、その反転が本物かどうかを見極めましょう。短時間で多く稼ぎたいと焦る気持ちが、一番禁物です。

分からない相場は避け、確信を持てる相場にだけ投資すれば、必然的に資産は増えていきます。

6.入出金を記録する

いつ、どのFX口座に、いくら入金したのか、また、いつ、どのFX口座から、いくら出金したのか、日付、口座名、金額の最低3項目について、パソコンのメモ帳やエクセルなどに記録しましょう。

そして、月次締めを行い、月間の入出金総額を把握しましょう。

出納帳として記録しなければ、月間で投資に使える金額を超えているのかどうか、分からない資金を元手にFXを続ける事になります。

海外のFXは入金が便利な反面、計画性がなければ、短期間で想定外のお金を使い込んでしまうリスクもあります。

また、出納帳は、確定申告計算の時に重要な資料となります。

相場にあおられた感情的取引をしないために、自分の資金状況を把握し、冷静で客観的な取引を心掛けましょう。

FX投資で成功するためには、上記6つの心得に加え、経験が不可欠です。経験は、一朝一夕に獲得できるものではありません。

FXに慣れない内は投資金額を少なく抑え、少額取引が可能な口座でトレーニングし、成功を重ね残高を増やせる様になってから、スプレッド・手数料・レバレッジなど、投資スキルと保有資産に見合う取引条件を備えた口座へ、主な資金を移動させる方法が一番いいと思います。

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